SCRIPTS 久間勝彦作品    戯曲立ち読み 

久間作品 戯曲の冒頭から一部をPDFのデータで掲載しています。

立ち読み感覚でをお楽しみください。


※ ここに掲載された台本の一部、または全部を無断で引用、転載、流用は出来ません。
また著者に無断での上演も出来ません。ご利用を希望される場合は、東京ストーリーテラーにご連絡ください。

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台本
                  「凜として」

昭和二十三年、長崎県の佐世保。市街地から少し離れた小さな海辺の集落。夫の出征直前に嫁いできた凜は、義母のソデと共に、夫、俊平の帰還を待っていた。共に手を携えて戦渦を逃れ、多くの苦難に立ち向かって来た凜とソデは、今では実の親子のような堅い絆で結ばれていたが、俊平の安否は今も知れず、終戦からは既に三年の月日が流れていた…。ある日、ソデは凜に言った。「良か縁のあったら…もう俊平の戦死の公報は待たんでも良かよ、凜…」 子供達の服には一様に継ぎ当てがあった。汲み取り式の便所は「オツリ」が来ていた。昼間、隣り近所に響き渡る声で喧嘩していた夫婦が、夜には子供五人を引き連れて賑やかに銭湯に出掛けていた。近所のおじちゃん、おばちゃんは、悪ガキ達を遠慮なく叱り飛ばし、でも、時々ちり紙に包んだ飴をくれていた。あの頃、この国には今よりもう少し活力に満ちて、格好いい日本人達がいた。
 
   

 

台本
             「底ん処をよろしく」

「親父がここを始めた時、集まってくる客は、空襲で焼け出された家族、職の無い帰還兵、腹を空かした戦災孤児だった。店もボロボロのバラック建てだったが、客だってその日の宿も無いような連中ばっかりだったんだ。だから親父は、どん底の底って意味で、この店の名前を “底ん処” ってつけたんだ」高い食材は使えなくても、工夫次第で味は幾らでも良くしてみせる、それが、先代がこの店に残した大衆食堂の心意気だった。父親のそんな教えを胸に、がむしゃらに働いてきた隆三だったが、気がつけば隆三自身、人生の黄昏を迎えようとしていた。近隣の工場の閉鎖と共に、かつての賑わいは消えてしまった街。そんな小さな街で、わずかな数の常連客を相手に、細々と商売を続ける“底ん処”に訪れる、切なくも優しい奇跡の物語…。 
   

   

台本
   「泣けない二人に、快晴(ぴーかん)の空が笑った」

僕が生まれた日に、母さんが亡くなったとです。そいけん、僕には母さんの想い出は無かです。家の中で、父さんと僕が母さんの話ばする事はほとんどありません。 母さんの事は、みんな兄ちゃんから聞きました。小学生の頃、僕のヒーローは、邦宏兄ちゃんやったとです…。長崎県のとある田舎町、壁のペンキも剥がれた小さな写真館。そこに暮らす父と息子。少年と不器用な父と、おかしな隣人達が巻き起こす一夏の出来事、優しく切ない、家族の絆の物語。 
   

 

台本
              「点描の絆」

もう一度、故郷の海を見たい、そう言い残し、男は消息を絶った。幼くして日本画の巨匠に弟子入りし、二十年近い歳月を、父と慕う師の下に学び、師の葬儀を境に姿を消した男。失踪の謎を追って、男の故郷から、元刑事という老人が上京して来た。「野崎君は故郷の唐津に手紙ば送っとるとです。長い間世話になった先生が亡くなられた。悲しいが、これを機に自分はここを出て独り立ちするつもりだ。身の回りのことが少し落ち着いたら、一度唐津にも顔を出したいちゅうて。ばってん、それっきり故郷に戻る事もなく、消息ば絶ったとです。何かご存じの事は無かですか」
男は何処に、そしてなぜ消息を絶ったのか。歳月があやなす手がかりの糸をたぐり、老人が辿り着いた真実は、点描という絵画の一手法に受け継がれた、悲しくも美しい師弟の絆だった。 
     
 

台本
             「ドンキーの翼」

デビュー作で脚光を浴びて以来三十数年、ずっとスランプというトホホな童話作家、鵜乃目邦二郎(うのめほうじろう)先生と、父の才能を信じ励まし続けるしっかり者の娘、詩織の物語。
笑えて、泣けて、キュンとする家族の愛の物語。

     

 

台本
   「リコリス ~夏水仙~」

初夏、豪雨の国道で起きたひき逃げ事故。その夏一番激しかった雨は、遺留物の全てを洗い流し捜査は難航を極めた。数日後、事故現場には目撃者を探す看板が立てられた。そして、その日から看板のそばに一人の男がたたずんだ。 男は、来る日も来る日も看板の傍らに座り続けた。東京近郊の少し寂しい国道沿いに、そのコーヒーショップ「リコリス」はある。カウンターの向こうには、いつも、優しいマスターが微笑んでいる。
     

 

台本
            「よく喋るマダム達は、パクチーより食えない」
            ~バツイチ探偵・興呂木参次郎(おころぎさんじろう)の事件簿~

繁盛していたはずのブティックが突然閉店した。職をなくした元従業員のオバちゃん達は、退職金に納得出来ない、閉店理由も説明がなかったと、探偵・興呂木参次郎の事務所に話を持ち込む。およそ探偵事務所にはお門違いの労働争議のような案件に気の進まない参次郎だったが、事務所家賃の支払いに加え、別れた妻子への慰謝料と養育費の払いに窮し、わずかな着手金欲しさに、このオバちゃん達のおかしな依頼を引き受ける。ブティックはなぜ突然閉店したのか。美しいブティックオーナーの心の闇に広がる迷宮の謎が、参次郎とオバちゃん達の前に立ちはだかる。なだれ込む怒濤のラストに待ち受ける驚愕の真実とは。
   

 

台本
       「棒が歩いて犬に当たるくらい納得出来ない事件の顛末」
         ~バツイチ探偵・興呂木参次郎(おころぎさんじろう)の事件簿~

毎日閑古鳥(かんこどり)が鳴く参次郎の事務所に久しぶりに舞い込んだ「ストーカーに命を狙われている」という、ちょっと探偵事務所らしい案件。喜んで難事件に挑んだ参次郎と助手の純平だったが、二人を待ち受けていたのは、嬉しくも切ない驚愕の顛末だった。人気シリーズ第二弾!!
   

 

台本
            「露の見た夢」

食う事と逃げる事、盗人タジムの頭の中は、いつもそれだけでいっぱいだった。ある日、寺院で酒を盗んだタジムは、まともな調べを受ける事も無く、刑場に引き出され、処刑される事になる。幼い頃、親に仕込まれて盗人になったタジムは、自分の運命を怨み、歯がみをし、泣き叫んだ。しかし、彼の隣には、同じように杭に繋がれ、死を宣告されながらも、穏やかな笑みを浮かべて、最期の時を待つ男が立っていた。…もし、生きながらえたら、別の生き方が出来ますか…。盗人と英雄、二つの命が刑場で交わした約束、それは、数奇な物語の始まりだった。時は十三世紀、中央アジアの砂漠の街を、疾風のように駆け抜けた、一人の男の物語。 
     

 

台本
         「紅い華のデジャヴュー」

死地を求めて旅に出た男が、辿り付いた南の島。
絵に描いたような楽園の景色の中で、男は白い錠剤の入ったビンを取り出した。これを飲み干せば、全てが終わる…。
かたわらに目を遣ると、砂の上に一輪のハイビスカス、花を手に取った瞬間、男の心は不思議な既視感に包まれた。「ずっと昔、随分遠い昔、こんな景色の中にいたような気がする…」そして、つかの間のまどろみ…。男が見た夢は千年の時空を越えた、デジャヴューだった。  
   

 

台本
             「星より(たか)く」

売れないコメディアンの龍治に恋した真理には、龍治に愛を伝えられない訳があった。龍治をスターにしたい一心で、龍治のプロダクションに入り、付き人になった彼女は、持ち前の機転、度胸の良さで龍治をスターへと成長させる。
マネージャー、付き人として龍治に信頼される真理。そんな時に巻き起こった、大女優の南条小百合と龍治のスキャンダル。龍治を一途に思い続ける真理の切ない恋の行方は…。
小さな芸能プロダクションを舞台に繰り広げられるポップでレトロな、そして元気の出るラブストーリー。
   

 

台本
             「ラストシャフル」

身寄りのない資産家の老人が死んだという。噂を聞き、金目の物を盗み出そうと屋敷に忍び込んだ恭平と久美。しかし、そこで二人が出会ったのは、死んだはずの老人だった。認知症を患う老人は、恭平を息子と勘違いし、押しかけて来た近所の青年達も二人を老人の身内だと信じてしまう。
いつもその場しのぎで生きてきた男と、そんな男に惚れた女、そして人生の黄昏に悔いだけを残した老人。 ひょんな事から始まった三人の共同生活に、やがて訪れる優しい奇跡の物語… 。
   

 

台本
       「MUKAIYAMA ザ・トラブルマスターズ」

           ~家庭円満殺人計画~

87歳にして初めて純愛に目覚めてしまった恒吉爺さん、愛する女に全財産を譲渡すると言い出した。慌てた家族が財産を守る為に相談を持ち込んだのは怪しげな探偵事務所、オフィス向山。家族の窮地に所長の向山良兼は言った。「女の手に渡る前に遺産として相続してしまえば良いではありませんか」。
ハチャメチャ家族と詐欺まがいの探偵社、迷走は暴走となり、やがて予期せぬラストへとなだれ込む!! 
 

 

台本
               「かりすま」

時は元禄、江戸の町。数年前に忽然と現れ、岡場所を仕切り、金貸し、口入屋を営み、瞬く間に巨万の富を築いた男がいた。男の名は青井閃乃介(あおいせんのすけ)。世故に長け、商才に恵まれてはいるが、悪どいやり方で商売を広げていく閃乃介。しかし、人々は不思議と閃乃介の周囲に集まり、閃乃介を慕い、やがて閃乃介は金儲けの権化と呼ばれ始める。
そんな閃乃介が、貯め込んだ金を元手に打って出た勝負は、幕府を相手に天下を揺るがす、一世一代の大博打だった。






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