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身寄りのない資産家の老人が死んだという。噂を聞き、金目の物を盗み出そうと屋敷に忍び込んだ恭平と久美。しかし、そこで二人が出会ったのは、死んだはずの老人だった。認知症を患う老人は、恭平を息子と勘違いし、押しかけて来た近所の青年達も二人を老人の身内だと信じてしまう。
いつもその場しのぎで生きてきた男と、そんな男に惚れた女、そして人生の黄昏に悔いだけを残した老人。 ひょんな事から始まった三人の共同生活に、やがて訪れる優しい奇跡の物語…
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初夏、豪雨の国道で起きたひき逃げ事故。その夏一番激しかった雨は、遺留物の全てを洗い流し捜査は難航を極めた。数日後、事故現場には目撃者を探す看板が立てられた。そして、その日から看板のそばに一人の男がたたずんだ。 男は、来る日も来る日も看板の傍らに座り続けた。
東京近郊の少し寂しい国道沿いに、そのコーヒーショップ「リコリス」はある。カウンターの向こうには、いつも、優しいマスターが微笑んでいる。 |
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